画筆の種類・特徴について
| 文具の豆知識
今回は、画筆の種類と特徴についてご紹介します。
【種類・特徴】
1. 筆の形とサイズ
① ラウンド(丸型)
穂先の形状に方向性が無いので、いきいきとした描画ができます。線描、細部を描くのもストロークの強弱で太い線も細い線も表現できます。
② ブライト(平型短毛)
広い部分の塗りつぶしに適しています。穂丈が短いので力強いタッチを出しやすく、ゴツゴツした質感などを表現しやすい筆です。
③ フラット(平型)
平筆の基本型で、面塗りや線描に便利です。平らな面は塗り込み、エッジを利用して線描にも使用できます。
④ フィルバート(平型円頭)
フラット型を使い込んだ形に最初から作ってあります。面塗りや描き込みに便利な筆です。
⑤ アングル(平型斜先)
斜めの穂先形状としなやかさで細かい線から曲線の色塗りまで自由に活用できます。直線の多い描画に適しています。フラットな面で描画。エッジを利用して線引きをします。
⑥ ファン(扇型)
画面のぼかしや画用液だけをつけてグラッシュ画法に使います。グラッシュ画法とは、油絵の古典的技法です。透明な絵具で幾層にも膜をつくるように塗り重ねて
画面に光沢・深み・密度を与え美しい画肌をつくります。
画筆のサイズは、号数で表されており、数字が大きいほど筆のサイズも大きくなります。
2. 筆の素材
筆の原毛は、天然毛(獣毛)と合成毛(合成繊維)に分けられます。
① 天然毛・・・豚、馬、リス、セーブル(イタチ・コリンスキー)、山羊、猫、狸などの動物の毛を使用しています。動物によって、筆の弾力、絵の具の含み、穂先のまとまり、耐久性などに特質が現れます。
② 合成毛・・・ナイロン、ポロエステル、リセーブル、ネオセーブル、ネオセブロン等があります。
・ネオセーブル・・・様々な種類のナイロン毛をブレンドし均一に配合しているので、穂先の水ふくみが良く、広い面もムラなく一度に塗る事ができるため、描画がスムーズです。
・リセーブル・・・特殊加工した画筆用合成繊維です。天然毛(セーブルやリス)の特徴である「キューティクル(階段状のヒダ)」により近い、ウォータースポットと呼ばれる凹凸がつけてあり、他の合成繊維毛にありがちな絵具含みの不足をカバーしています。油彩画、アクリル画、水彩画、デザイン筆など多目的に使われています。合成毛は、天然毛に比べて価格も安価です。
3. 筆の適正
用途によって使用される筆の毛の種類も異なります。
① 油絵・・・豚、マングース、セーブル、狸、合成毛
② 水彩・・・セーブル、リス、馬、合成毛
③ アクリル・・・セーブル、合成毛
④ 日本画・・・猫、山羊、狸、セーブル、馬
【よく聞かれる内容】
・画筆のお手入れは?
→画筆のメンテナンスの基本は、使ったあとはすぐに洗い、洗った筆はよく乾かすということです。また、使う絵具に合わせた方法を工夫することも肝心です。
① 油絵具の場合・・・穂先についた絵具を紙や布でよく拭き取り、油絵用のクリーナーで振り洗います。クリーナーで顔料は落ちても、乾性油などが残っています。
そこで、穂先のクリーナーをよく拭き取ってから、石鹸とぬるま湯で洗います。
石鹸を十分に洗い流し、布などで水分を拭き取りながら形を整えてよく乾かします。
② アクリル絵具の場合・・・アクリル絵具は速乾性で一度穂先が固まると元には戻せまんので、こまめに穂先を洗う必要があります。油絵具と同じように、穂先についた絵具を拭き取ります。水やぬるま湯を筆洗器に入れて、十分に振り洗いしたあと、布などで水分を拭き取りながら形を整えてよく乾かします。
③ 水彩絵具の場合・・・水彩絵具は水溶性なので石鹸で洗ったりする必要は殆どありません。特に繊細な獣毛の画筆などは、水だけでよく洗うほうが良いでしょう。
R.N
メーカー:サクラクレパス、ぺんてる、ホルベイン等
品名:画筆
品番:各種
価格:メーカーにより価格が異なります。
取扱店:店舗により取り扱いメーカーが異なる場合がございます。