印鑑の朱肉について
| 文具の豆知識
今回は印鑑の朱肉についてお伝えいたします。
朱肉には大まかにスポンジ朱肉と練り朱肉の2種類があります。
①スポンジ朱肉
フェルトやスポンジに朱油と呼ばれるインキが染み込んだものです。
長期的に使いやすく、補充インクの使用方法もお手軽なため、幅広いシーンで使用されています。
小ぶりの朱肉は蓋を回して開けるものが多いですが、大きく重量感のある朱肉はデスクなどで使用する場面が多いために
蓋を持ち上げて開ける方法の朱肉が多いです。
②練り朱肉
松油などの油と顔料を練り合わせたものを植物繊維に染み込ませて泥状にしたものです。
練り朱肉は昔では日常的に使われていました。それを簡易的により使いやすく改良したものがスポンジ朱肉になります。
練り朱肉は経年劣化しやすく、表面が乾燥してしまう、顔料と油分が分離してしまう等の状態になる場合があります。
その際は表面で状態の悪い部分を削る、専用の補充インキを使用する等の処置を行っていただくのがおすすめです。
よくあるお客様のお問い合わせ
うさぎやで多く取り揃えている印鑑メーカーの一つであるシヤチハタの「シヤチハタ朱肉(エコス)」と「速乾シヤチハタ朱肉」の違いは?
というお問い合わせがございます。
「シヤチハタ朱肉(エコス)」は顔料の粒子径を最適な大きさに調整されているため、印影の厚みが生まれます。
その印影の厚みを表現しようとすると低下してしまう速乾性や非転写性を兼ね備えている優れものです。
そして「速乾シヤチハタ朱肉」は前者と同じく速乾性が高く、そしてさらに浸透性に優れ、転写による不正を防止できます。
これはテープなどの粘着性のあるもので印影を写し取って転写する際、重要になってくるのが表面に残った顔料やインクになります。
その残った顔料やインクを利用して転写を行うため、朱油が完全に紙へ浸透する点、印影がすぐに乾く点は転写防止に優れているといえます。
朱肉にはさまざまな種類がございますので、ぜひ使用する場所やシーンに合わせて朱肉をお選びくださいませ。
M.F